竜司ウォルター興行
新宿FACE…
ホストや酔っ払いがいっぱいの街中を、うろちょろ迷いながら、
会社帰りの、ダサい背広にコートを羽織り、かばんをぶら下げた僕が、
魔都?新宿歌舞伎町に来たのは、
他でもない竜司ウォルター興行を見に来たからだ。
何しろ、自主興行のたびに、やり過ぎで自分が怪我して長期休養になってしまう竜司ウォルター。
思いっきり殴って殴られて投げて投げられて…
本当は、細かいレスリングもできるんだろうけど、
どうしても、ゴツゴツした
「プロレスラーをなめるんじゃないぞ!」みたいなファイトが
竜司ウォルターの闘いとして観客的にもウケてしまったもんだから、
このスタイルは止められないだろうな。
かく言う自分も、そんな竜司ウォルター的ファイトのファンである。
華麗な大技のラッシュや、スピーディな攻防が主流となる昨今のプロレスは、
やはり時代が要求するものなんだろうが、
そういうものと違うところに軸足を置いた(本人はその気がないだろうけど)
ケンカスタイルはFACEで見ると独特な雰囲気で面白い。
FACEの客層には慣れないけど。
これって、バチバチじゃないだろうなあ。
でも、明らかに「闘いを見せる」ためのプロレスを志向しながら、
自分で興行を行なう竜司ウォルターは、やはりたいしたものだ。
第一回目は、スティーブ・カーン道場出身のプロレスラー、ブライアン・ジャック。
これは、彼自身が腕を故障していたこともあり、中途半端なシュート・ファイトになってしまい、
竜司の一方的な試合になった。
第二回目は、元大相撲力士の総合格闘家、IGFにはレスラーとして上がる若翔洋が相手。
このときは、竜司が試合前に怪我をしてしまい、
それでも、無理して闘いに望んだ結果、勝利は収めたものの、
その後、長期休養に入ってしまった。
自主興行が鬼門でもある竜司ウォルター。
命を削って云々いうレスラーは数多いが、
本当に怪我をしながら、リングに上がり続ける竜司ウォルターのような生き方。
一般人にはまねできないね。
今回はジャマイカの巨人?ラスタマン。
昔のバトラーツにはよく参戦していた、でかいレスラーである。
人気者でもあったらしい。
また、パワーファイターとぶつかる竜司ウォルター
怪我をしなけりゃいいなと思うけど、
こればっかりはなんとも言えない。
また、心のどこかで、そんなとんでもないファイトを期待している自分もいるわけでね。
そう言えば、
昔「情念」で「竜司の神様」という雑文を書いた事がある。
自分が、エディ・ゲレロの勧めでクリスチャンになり、いつもキリストのお守りみたいなものを
身に付けているおかげで怪我をしなくなったと言っていた話。
しかし、彼くらい怪我をするレスラーもいないわけで、
しかし、彼くらい怪我をするレスラーもいないわけで、
クリスチャンになってなくて神のご加護がなければどんな目にあっていたんだろうね?
そら恐ろしくなる。
前置きが長くなった。
この日の試合
いつものように、竜司選手のインタビュー及び全試合解説から始まった。
第一試合
成田吉駿 vs 石川雄規(Bルール)
第二試合
長井満也 vs 矢野啓太(バトラーツルール)
第三試合
原 学 vs 飯伏幸太(エキシビション=つまり勝敗無し)
第四試合
スーパー・タイガー vs 高岩(プロレスルール)
最終試合
竜司ウォルター vs ラスタマン(バトラーツルール)
第二試合でドラデションの長井選手と闘う予定だった
チーム竜司ウォルター?のNORI選手が交通事故で靭帯を故障したため、
矢野啓太が代役になったくらいかな?
まあ、メイン以外では久しぶりの飯伏選手を見られるのが大きな興味だった。
矢野選手のスタイルでは、バトルールで今の長井選手を相手にしてもあまり勝ち目がない感じがしたし、同じことをセミにも言える気がした。
今のタイガーではプロレスルールで今の高岩選手と闘ってあまり勝ち目がない感じがした。
タイガーがただ、弱いというつもりはない。
また、バトルールと3カウントと
どっちが良くてどっちが悪いというわけではなく、
そこに「3カウント・フォール」があるだけで、試合の組み立ては違ってくると思うからだ。
いまさらだけど、
バトルールでは基本KO・ギブアップでしか勝負が決まらないから、
不意をついて丸め込むような、ダメージを奪わずフォールだけを狙った技が使えない。
つまりフォールに向けた技や試合の組み立てができなくなるのだ。
同じことは逆の立場からも言えるわけで、不意をつかれて丸め込まれる心配がないのがバトルール。
…この話はたぶん後ですることになるだろう。
いずれにしても、
タイガーが、プロレスラーとしての存在をバトラーツの客以外にもアピールするためには、
やはり、バトラーツのリングで見せる「怖い虎」の姿をこのリングでも見せて欲しい。
竜司興行に来るお客さんはバトラーツの客ではないから。
もっとわかりやすく、訴えかけるレスリングを見せて欲しい。
前置きが長くなったので次に続く。